動画の企画を任されたとき、最初にドキッとするのって、じつは内容よりも「専門用語の嵐」だったりしませんか。
その代表格が“CG”。会議で当たり前のように飛び交っているのに、ふと冷静になると「そういえば、CGって具体的に何のことだっけ…」と不安になる。
「3DCGって2Dと何が違うの?」「アニメのCGと、製品紹介のCGって同じもの?」「外注したらどれくらいの費用感になるんだろう…」
こんなモヤモヤを抱えたまま企画書を書いていて、途中で手が止まった経験がある方も多いと思います。
私も、企業の若手マーケ担当の方と話していると、
「今さら“CGとは?”なんて聞きづらくて…」
という声をよく聞きます。恥ずかしいことでも何でもないのですが、現場ではなかなか聞きづらいですよね。
この記事では、そんな「今さら聞きにくい」をそっとほどきながら、CGとは何かをわかりやすく整理していきます。
2DCGと3DCGの違い、CGアニメのざっくりした仕組み、そしてアニメだけでなくビジネスでどんなふうに使われているのかまで、一連の流れでお話しします。
読み終わったあと、「あ、これなら社内で説明できそうだな」「うちでも試せそうな使い方があるかも」と感じてもらえたらうれしいです。
そのうえで、「じゃあ実際に作るとしたら?」と悩んだときに、セザックスの映像制作・3DCG制作の経験がお役に立てれば、という想いで書いています。
CGとは何か?——「なんとなく知ってる」をいったん言葉にしてみる
まずは落ち着いて、“CGとは”の話から整理していきます。
CGは Computer Graphics(コンピューターグラフィックス) の略で、広い意味では「コンピューターを使って作られた画像や映像」のこと。
静止画のイラストもあれば、動きのあるアニメーションもあるし、映画のVFXや、企業の3D製品紹介ムービーも、ぜんぶCGの仲間です。
人によって頭の中の「CG」が違う
ややこしいのは、現場で話すときの“CG”が、人によってけっこう違うところです。
アニメ制作に詳しい人は、
「キャラクターを3DCGで作ること=CG」
というイメージかもしれませんし、
製造業のマーケ担当なら、
「製品の内部構造を見せる3D映像=CG」
を思い浮かべることが多いはずです。
会議の場で「ここ、CGにしたいですね」と誰かが言ったとき、
・ある人は“アニメっぽい表現”を想像し
・別の人は“実写にちょっとエフェクトを足す程度”を考え
・制作会社は“ガッツリ3Dモデリング”をイメージしている
…なんてことも、実はよくあります。
あとから齟齬が出てしまうのは、このイメージの違いが理由のひとつです。

「編集」と「CG制作」がごっちゃになりがち
もう一つ、混乱しやすいポイントがあります。
それが、映像編集とCG制作の違いです。
- すでに撮影した映像を切ったりつないだりする → 編集
- そもそもの“絵”や“立体”をコンピューターの中で作る → CG制作
もちろん現場では、この2つが入り混じりながら1本の映像になっていきます。
それでも、頭の中ではこのくらいざっくり分けておくと、会話がだいぶ整理されます。
細かい定義より、「何に使える技術か」を意識する
CGとは何か、厳密に言葉で説明しようとすると、どうしても難しくなってしまいます。
この記事ではもう少しシンプルに、
- コンピューターで作られた視覚表現
- とくに企業の場面では「伝えづらいものを、わかりやすく可視化する技術」
ぐらいで捉えていただければ十分です。
「CGとは? わかりやすく説明して」と言われたときに、
“コンピューターで作る映像表現で、製品の仕組みとかをわかりやすく見せるのに使える技術ですよ”
と返せれば、実務上はまったく問題ありません。
2Dと3D、それぞれの特長は?——違いがわかると使い道がスッキリする
次に、多くの方がつまずくポイントに触れておきます。
それが2DCGと3DCGの違いです。
どちらも「CG」ではあるのですが、得意なこと・苦手なことが違います。
ここが整理できると、「うちの案件はどっち向きかな?」という判断がずっとラクになります。
2DCGとは?(イラスト・アニメ・UI表現など)
2DCGは、いわゆる“平面の絵”の世界です。
イラスト、アイコン、図解、アニメ風のキャラクター、WebサイトやアプリのUIなど、日常的によく目にしている表現がほとんど2DCGです。
企業のマーケティング現場でいうと、
- サービス紹介のアニメーション動画
- 採用向けのやさしいトーンのムービー
- 図解を多用したWeb記事やホワイトペーパー
などでよく使われます。
良いところは、方向性が決まればイメージを共有しやすく、工数も比較的読みやすいところ。
「予算が限られている」「柔らかい雰囲気で伝えたい」といった場面では、とても扱いやすい選択肢です。
一方で、立体的な構造や、内部の動きのような“奥行きのある情報”はやや苦手です。
あまり細かく描き込もうとすると、かえって雑多になってしまうこともあります。
「かわいくて親しみやすいけれど、説得力をもっと出したい」といった、少しもどかしい感覚を覚えた方もいるかもしれません。
3DCGとは?(立体で“再現する”という考え方)
3DCGは、一言でいえば「立体をコンピューターの中で再現する」技術です。
製品や建物、機械の内部、人体の構造などを3Dでモデリングし、そこに動きや光をつけて表現していきます。
- 製品紹介の3Dアニメーション
- 機械の内部動作の可視化
- 建築物の完成イメージのウォークスルー
こういった用途で活躍します。
メリットは、とにかく“分かりにくいものを見える形にできる”ところ。
実物を分解しなくても内部構造を見せられますし、危険で再現しづらい状況も、安全に映像化できます。
ただし、そのぶん準備の手間とコストは大きくなりがちです。
モデリングをどこまで作り込むかで、全体の工数も大きく変わります。
「本当は3DCGでガッツリ見せたいけど、予算とスケジュールが…」という葛藤は、多くの企業で共通しています。

どちらを選ぶかより、「どんなゴールを目指すか」
2Dと3D、どちらを選ぶかで悩んでしまったときは、
「何を伝えるのがいちばん大事なのか」に立ち返ってみると、少し視界が開けます。
- 印象や雰囲気を伝えたい → 2DCGでも十分なことが多い
- 構造・仕組み・内部の動きを理解してほしい → 3DCGが力を発揮しやすい
このくらいの目安でも、企画の組み立て方が変わってきます。
セザックスでは、2Dと3Dを組み合わせたり、実写映像とCGをミックスしたりしながら、「この案件なら、ここに3Dを差し込むのが効果的だね」といった相談をよくしています。
白黒の正解を探すというより、「情報量」「予算」「スケジュール」「インパクト」のバランスを一緒に探す感覚に近いかもしれません。
CGアニメはどう作られる?——全部わからなくていいから“流れ”だけつかむ
「CGアニメの仕組み、ざっくりでいいから聞いておきたいんです」
そんな声もよく届きます。全部を理解する必要はありませんが、流れだけ知っておくと企画がぐっとラクになります。
CGアニメ制作の大まかな流れ
一般的なCGアニメの制作は、こんなステップで進みます。
- 企画
何を誰に伝えたいのか、どんな場面で使うのかを整理する。 - 絵コンテ(ストーリーボード)
シーンごとに、画面構成や動き、ナレーションの流れを書き出す。 - モデリング
キャラクターや製品、背景などを3Dで“形にする”。 - アニメーション
作った3Dモデルに動きをつけ、カメラワークも設定する。 - レンダリング
光や影、質感をのせて、最終的な映像として書き出す。
こう書くと少し堅く見えますが、要するに
設計図を作る → 立体を作る → 動かす → 仕上げる
という流れだとイメージしてもらえれば十分です。
「絵コンテのときはわかった気がしたのに…」という“あるある”
若手担当の方からよく聞くのが、こんな話です。
「絵コンテを見たときは『いいですね』と言ったものの、
3Dで上がってきた映像を見たら、なんだか雰囲気が違って…」
ラフなスケッチから完成形の3DCGを想像するのは、慣れていないとかなり難しいです。
そこで本当は少し引っかかっていたのに、「みんな頷いているし…」とそのまま進んでしまい、後半で大きな修正が発生してしまう。
現場では、こうした“ちょっとした遠慮”が、のちのち大きな負担につながることがあります。
もうひとつ起きがちなのが、モデリングの段階での認識ズレです。
いったん立体を作り込んだあとで「やっぱり形を変えたい」となると、どうしても工数が膨らみます。
「もっと早く社内の意見をそろえておけばよかった…」という後悔の声も、実は珍しくありません。
企画側が知っておくと安心なポイント
細かい技術の話より、企画側としては次のポイントさえ押さえておけば十分です。
- どの工程が重いか(モデリングと大きな修正はコストに直結しやすい)
- どのタイミングで内容を固めるか(絵コンテの段階で“見せたいゴール”を共有しておく)
たとえば、
- 絵コンテの段階で、「このシーンでは何を理解してほしいのか」を言葉で確認する
- モデリング前に、社内のキーマンとイメージをすり合わせておく
- 「どこまでリアルさを求めるか」を、あらかじめ制作側と決めておく
こうしたちょっとした一手間だけでも、完成までのストレスはかなり減ります。
セザックスでも、初めてCGアニメに取り組む担当の方とは、「ここまで理解してもらえればOK」というラインを共有しつつ進めています。
すべてのプロセスを暗記する必要はなくて、「ざっくり流れはわかっているから、社内にはこう説明しよう」と思えれば、それだけで大きな前進だと思っています。
企業でのCG活用シーン——アニメだけじゃない“実務寄り”の使い方
CGと聞くとアニメや映画を思い浮かべる方が多いですが、BtoBの現場ではもっと地に足のついた使われ方が増えています。
ここでは、若手マーケの方が「自社で使うならこのあたりかな」と思い描きやすいシーンをいくつか挙げてみます。
製品紹介・サービス説明で“伝わり方”を変える
製造業やIT企業では、製品の仕組みやサービスの流れを説明するために3DCGを使う場面が増えています。
- 内部構造を透かして動きを見せる
- 実際には見えないところ(配線や流体の流れなど)を可視化する
- “ビフォー・アフター”の状態を立体で比べて見せる
こうした表現があるだけで、展示会や営業プレゼンの説得力はぐっと増します。
「カタログやスライドでは伝えきれない」
「営業担当の説明力に頼り切りになってしまう」
そんな悩みを抱えている企業ほど、製品CGや説明用アニメーションの効果を実感しやすい印象があります。
研修・マニュアル・教育コンテンツで“安全にリアル”を実現する
セザックスが特に実績を持っているのが、マニュアル制作や教育コンテンツの領域です。
たとえば、
- 作業手順のポイントを3DCGで見せる
- 危険箇所を強調したアニメーションで注意喚起する
- 事故やトラブル対応を、感情に配慮しながら再現する
といった使い方があります。
ここで面白いのが、「リアルすぎない」ことがむしろ良い方向に働くケースが多いという点です。
実写で事故シーンを撮影するのは、心理的にも負担が大きいですし、社内での合意も得にくいことが多いですよね。
CGであれば、必要な情報だけを切り出しつつ、淡々と“学びやすい形”に整理することができます。
印刷されたマニュアル、PDFの手順書、Webのヘルプページ、そしてCGを使った動画マニュアル。
これらを組み合わせて設計できるのは、印刷とデジタルの両方に長く関わってきたセザックスならではだと感じています。
プロモーション・ブランド表現で“らしさ”を演出する
もうひとつが、プロモーション用途です。
- ブランドの世界観を伝えるPRムービー
- 採用サイト向けのストーリー仕立て動画
- 実写とCGを組み合わせたインパクトのあるオープニング映像
こうした場面でもCGは効果を発揮します。
ただ、ここには、ちょっとした落とし穴もあります。
CG表現を盛り込みすぎると、たしかにカッコよくはなるのですが、見ている側が「結局何の会社なのかよく分からなかった」という状態になりがちです。
現場でよく聞くのは、
「作品としてはすごいけれど、自社の説明ツールとしては少し遠くなってしまった」
という声です。
だからこそ、企画の段階で
- この映像を見た人に、どんな一文で会社を説明してほしいか
- どのシーンにCGがあると“理解”や“共感”が生まれるか
を落ち着いて整理しておくことが大切です。
セザックスでは、印刷物やWebサイト、マニュアルとの関係も考えながら、「CGが主役なのか、あくまでサポート役なのか」を一緒に考えることが多いです。
読み終えた今、どんな一歩なら踏み出せそうか
ここまで、CGとは何か、2Dと3Dの違い、CGアニメの大まかな流れ、企業での具体的な活用シーン、外注のときに意識したいポイント…と、少し駆け足でお話ししてきました。
全部を思い出せなくても大丈夫です。
もし、頭のどこかに
- 「そういえば、あの製品はCGで見せたら分かりやすいかも」
- 「このマニュアル、動画にした方が現場の人がラクかもしれない」
そんな小さな引っかかりが残っていたら、それだけでも十分だと思っています。
できることからで構いません。
- 手元の資料やマニュアルを眺めながら、「ここだけでも絵や動画にできたら」と感じる箇所に印をつけてみる
- 展示会や営業プレゼンのスライドを見返して、「説明が長くなってしまうページ」をピックアップしてみる
そんな軽い棚卸しだけでも、次の一歩のヒントが見えてくるはずです。そのうえで、「じゃあ実際に作るとしたら、どれくらいの規模で、何から相談すればいいのか」を整理したくなったときは、セザックスを思い出してもらえたらうれしいです。
印刷からマニュアル制作、Web、映像、3DCGまで手がけてきた経験をもとに、「やりたいこと」と「現実的にできそうなこと」の間を一緒に探すお手伝いができればと思います。
