BtoBサイトでSEOとデザインを両立するには、検索キーワードを増やすだけでなく、顧客が必要な情報を見つけ、理解し、問い合わせへ進める構造を設計することが重要です。

この記事でわかること

  • BtoBサイトでSEOとデザインを両立させる考え方
  • 検索流入が問い合わせにつながらない原因
  • SEOを考慮したサイト構造とコンテンツ設計
  • 専門的な情報をわかりやすく見せるデザインのポイント
  • Webサイトとカタログなどの販促物を連携させる方法

SEOとデザインは対立するものではない

SEOを重視すると文章量が増えてデザインが崩れ、デザインを優先すると検索エンジンに評価される情報が不足する。このような悩みを抱えるBtoB企業は少なくありません。

しかし、本来SEOとデザインは対立するものではありません。SEOはユーザーが必要な情報へ到達できるようにする仕組みであり、デザインはその情報を理解しやすく、行動しやすい形で伝える手段です。

検索順位だけを目的に文章を追加しても、訪問者が内容を理解できなければ問い合わせにはつながりません。反対に、見た目が洗練されていても、検索される言葉や顧客の疑問に対応するページがなければ、そもそもサイトを見つけてもらえません。

重要なのは、検索意図、情報設計、視覚設計、問い合わせ導線を一つの流れとして考えることです。

BtoBサイトのアクセスが伸びない主な原因

BtoBサイトのアクセスが伸び悩むときは、SEO施策を追加する前に、サイトが誰のどのような疑問に答えているかを確認する必要があります。

自社が伝えたい情報を中心に構成している

企業サイトでは、技術力、設備、沿革、製品仕様など、自社が説明したい情報を優先しがちです。しかし、顧客が最初に知りたいのは「その技術が自社の課題解決にどう役立つか」という点です。

伝わるカタログの設計でも重要になるのが、「誰に」「何を伝え」「どのような行動を起こしてほしいか」を制作前に明確にすることです。この考え方は、Webサイトにもそのまま応用できます。

製品情報を並べるだけではなく、顧客の課題、解決方法、選ばれる理由、導入までの流れという順序で情報を配置すると、自社の強みを顧客視点で伝えやすくなります。

検索キーワードとページの役割が整理されていない

一つのページに複数の製品やサービスを詰め込むと、検索エンジンにも訪問者にも、そのページが何を説明しているのか伝わりにくくなります。

たとえば「Web制作」という大きなテーマだけでなく、「BtoBサイト制作」「コーポレートサイトリニューアル」「製造業のWebサイト」「採用サイト制作」など、顧客の目的ごとにページを分けることが必要です。

各ページには明確な役割を持たせ、似た内容のページを大量に作らないことも重要です。ページ数を増やすことより、検索者の疑問に一つずつ具体的に答えることを優先します。

流入後の導線が設計されていない

SEOでアクセスを獲得しても、閲覧したページに次の行動が示されていなければ、訪問者は離脱してしまいます。

記事からサービスページ、サービスページから事例、事例から問い合わせへと、検討段階に応じた導線を用意しましょう。すべてのページで問い合わせを強く促すのではなく、関連資料、事例、よくある質問など、次に読みたい情報を提示することがポイントです。

SEOを考慮したBtoBサイトの情報設計

顧客の検討プロセスからコンテンツを設計する

BtoB商材は、検索してすぐに購入されるとは限りません。担当者が情報を収集し、社内で比較し、上司や関係部署に説明したうえで問い合わせに至ることが一般的です。

そのため、サイト内には検討段階に対応する情報が必要です。

検討段階顧客が知りたいこと用意するコンテンツ
課題の認識何が問題なのか解説記事、チェックリスト
解決方法の調査どのような選択肢があるかサービス解説、比較記事
発注先の比較任せても問題ないか導入事例、制作体制、品質管理
社内検討費用や進め方を説明できるか制作工程、スケジュール、FAQ
問い合わせ何を相談できるか相談フォーム、資料請求

検索キーワードだけでなく、顧客が意思決定するまでの疑問を整理すると、必要なページとサイト内導線が見えてきます。

サービスページでは対応範囲を具体化する

「高品質なWebサイトを制作します」といった抽象的な表現だけでは、検索者は自社の相談に対応できる会社か判断できません。

企画、取材、原稿作成、撮影、デザイン、コーディング、システム開発、公開後の更新など、対応できる工程を具体的に示します。得意とする業種やサイトの種類、支給が必要な資料、制作期間の考え方なども判断材料になります。

専門用語を並べるのではなく、その工程が顧客にどのようなメリットをもたらすのかまで説明することが大切です。

導入事例で課題と解決プロセスを示す

BtoBサイトでは、完成したデザインだけでなく、どのような課題をどのような考え方で解決したかを示すことが重要です。

施工業C社の事例では、新会社の会社案内制作をきっかけに、デザイン案を含めた提案を行い、Webサイトやカタログなどの制作へ展開しています。個別のツールを別々に作るのではなく、企業のイメージを統一する視点から制作物を設計した事例です。詳しくは会社案内から企業ブランディングへ展開した事例をご覧ください。

事例ページでは、顧客の業種、制作前の課題、提案内容、制作したツール、得られた成果を整理すると、同じ課題を持つ検索者が自社との共通点を見つけやすくなります。

SEO効果を損なわないデザインのポイント

デザインを「情報の再構築」と捉える

Webデザインは、装飾を追加する作業ではありません。情報の優先順位を整理し、読み手が理解しやすい順序で視覚化する作業です。

レイアウトによる印象の違いでは、同じ文章と写真でも、配置によって安定感や躍動感などの印象が変わることを解説しています。たとえば、対称的な構成は落ち着きや信頼感を与えやすく、非対称な構成は動きや新鮮さを表現しやすくなります。

BtoBサイトでも、企業としての信頼感を示すページと、新しい技術やサービスを訴求するページでは、適したレイアウトが異なります。流行のデザインを採用するのではなく、ページの目的に合った見せ方を選びましょう。

見出しと余白で情報の優先順位を示す

長い文章をそのまま掲載すると、必要な情報が含まれていても読んでもらえません。見出し、要約、箇条書き、表、余白を使い、ページを流し読みしても概要を把握できるようにします。

ただし、文章を短く分割するだけでは不十分です。重要な結論を先に示し、その理由や具体例を後から説明する構成にすると、検索者が短時間で自分に必要なページか判断できます。

図解で複雑なサービスを理解しやすくする

制作工程、システム構成、サービスの対応範囲など、文章だけでは理解しにくい情報は図解が有効です。

インフォグラフィックスは、複雑な情報やデータを絵や図によって理解しやすくする表現手法です。ただし、単に情報を装飾するのではなく、何を残し、何を省き、誰にどのように伝えるかを設計する必要があります。

図解画像だけに情報を閉じ込めず、ページ内には見出しや説明文も用意しましょう。視覚的な理解を助けながら、検索エンジンにもページの内容を伝えられます。

読みやすさをフォント単体で判断しない

Webサイトの読みやすさは、フォントの種類だけで決まりません。文字サイズ、太さ、行間、背景とのコントラスト、文章の長さなどを総合的に調整する必要があります。

UDフォントの設計では、視認性、判読性、デザイン性、可読性という四つの観点が示されています。一方で、読みやすい書体でも、見出し用の太い文字を本文に使えば読みにくくなるため、用途に応じた使い分けが必要です。

特にBtoBサイトでは、製品名、型番、英数字、専門用語が多くなります。似た文字を判別しやすいか、スマートフォンでも本文を読み続けられるかを確認しましょう。

SEOとデザインを両立させる制作手順

SEOとデザインを別々の工程として進めると、公開直前に文章量やレイアウトの調整が必要になり、どちらかを妥協しやすくなります。制作初期から両者を統合して進めることが重要です。

  1. 事業目標と問い合わせ後の営業プロセスを確認する
  2. 対象顧客と顧客が抱える課題を整理する
  3. 検索キーワードと検討段階ごとの疑問を洗い出す
  4. 必要なページとサイト内導線を設計する
  5. 各ページで伝える結論と根拠を決める
  6. 原稿とワイヤーフレームを並行して作る
  7. デザイン、実装、表示速度、スマートフォン表示を確認する
  8. 公開後に検索流入と問い合わせ行動を検証する

原稿完成後にデザインへ当てはめるのではなく、ワイヤーフレームの段階で見出し、文章量、図解、CTAの位置を検討します。これにより、SEOに必要な情報を残しながら、読みやすいページを設計できます。

Webサイトと紙の販促物で情報を統一する

BtoB企業では、Webサイトだけでなく、会社案内、製品カタログ、営業資料、展示会パネルなど、複数の媒体が顧客との接点になります。

媒体ごとに制作会社や担当部署が異なると、説明内容、デザイン、写真、用語がばらばらになり、企業の印象が統一されません。サイトリニューアルの際は、既存のカタログや営業資料も確認し、共通して使用するメッセージやビジュアルを整理することが有効です。

紙媒体では要点を短く伝え、QRコードなどからWebサイトの詳細情報、動画、導入事例へ誘導する方法もあります。Webと紙を別々の施策として考えるのではなく、顧客が情報を行き来することを前提に設計しましょう。

まとめ

SEOとデザインを両立させるために必要なのは、検索エンジン向けの文章と、人向けの見た目を別々に調整することではありません。

顧客がどのような課題で検索し、何を理解し、どの情報を根拠に問い合わせるのかを整理したうえで、ページ構成、原稿、レイアウト、図解、導線を設計することが重要です。

セザックスでは、Webサイトの企画・制作だけでなく、会社案内やカタログ、映像、各種販促ツールを含めた情報設計・デザインに対応しています。Webサイトへの流入や問い合わせ導線、媒体間の情報統一に課題がある場合は、お気軽にご相談ください。