展示会動画は、来場者の足を止めるだけでなく、商談化につながる情報を短時間で伝え、次の行動へ誘導できればリード獲得を大きく変えられます。
この記事でわかること
- 展示会動画がリード獲得に影響する理由
- 成果につながる展示会動画の5つの工夫
- 動画と営業担当者、パネル、パンフレットを連携させる方法
- 展示会終了後のフォローに動画を活用するポイント
- 展示会動画を制作するときに避けたい失敗
展示会動画でリード獲得は本当に変わる?
展示会動画を流すだけで、名刺交換数や商談数が自動的に増えるわけではありません。しかし、来場者の注意を引き、自社との関連性を理解してもらい、説明員との会話や資料請求へつなげる導線を設計すれば、動画はリード獲得を支える有力な接点になります。
展示会場では、多数のブースが来場者の注意を奪い合います。来場者は一つひとつの展示を詳しく読むのではなく、遠目から見た印象や数秒間で得られる情報をもとに、立ち寄るかどうかを判断します。
そのため、展示会動画に求められるのは、企業紹介や製品情報を網羅することではありません。「誰の、どのような課題を解決するのか」を素早く伝え、詳しい説明を聞いてみたいと思わせることが重要です。
実際にセザックスが支援した電気製品メーカーE社の事例では、若年層との接点不足という課題に対し、ターゲットが多く集まる場所で季節に合わせたイベントを継続的に実施しました。接触回数やメディア露出を増やした結果、若者からの認知度を20%向上させています。
この事例が示しているのは、イベントの成果は一つの制作物だけで決まるのではなく、ターゲット、場所、表現、接触回数、運営を一体で設計することで高まりやすいという点です。展示会動画も、ブース全体のコミュニケーション設計に組み込む必要があります。
成果が出る企業が実践する5つの工夫
1.「誰に何をしてほしいか」を制作前に決める
展示会動画の企画では、最初にターゲットと目的を明確にします。「幅広い来場者に会社を知ってもらう」といった抽象的な目的では、盛り込む情報が増え、結局何も印象に残らない動画になりがちです。
少なくとも、次の3点を具体化しておきましょう。
- 誰に見てほしいのか
- どの課題やニーズに気づいてほしいのか
- 視聴後にどのような行動を取ってほしいのか
例えば、製造業の技術担当者が対象なら、企業の沿革を詳しく紹介するよりも、「既存設備にどのように導入できるか」「作業負担をどこまで軽減できるか」を示した方が、自分に関係のある展示だと判断してもらいやすくなります。
これは紙のカタログ制作でも共通する考え方です。伝わるカタログを設計するポイントとして、セザックスでは「誰に」「何を伝え」「どのような行動を起こしてほしいか」を具体化する重要性を挙げています。
展示会動画でも、製品情報を並べる前に、来場者の課題と期待する行動を定めることが出発点です。
2.冒頭数秒で「自分に関係がある」と思わせる
展示会場は音や人の動きが多く、来場者が動画を最初から最後まで見てくれるとは限りません。どのタイミングから見ても内容が理解でき、冒頭や区切りの場面で対象者とメリットが伝わる構成が必要です。
動画の冒頭では、会社名や抽象的なイメージ映像だけを長く流すのではなく、来場者が抱えている課題を端的に示します。
| 伝わりにくい表現 | 展示会向けの表現 |
|---|---|
| 革新的な技術で未来を創造します | 検査工程の見落としを減らしたい方へ |
| 多彩なソリューションを提供 | 複数拠点のマニュアル管理を一元化 |
| 高性能な新製品を展示中 | 従来機より設置作業を簡略化 |
専門用語や製品名を最初に出すよりも、来場者が認識している課題を入口にした方が、足を止めてもらいやすくなります。その後に解決策、製品の特徴、実績へと展開すると、情報の流れも理解しやすくなります。
3.音声なしでも理解できる画面をつくる
展示会場では、周囲のアナウンスや商談の声に動画の音声が埋もれることがあります。音量を上げられない会場もあるため、ナレーションだけに依存した動画は内容が伝わらない可能性があります。
字幕、見出し、アイコン、図解、製品の動作映像を組み合わせ、音声を聞かなくても概要を理解できるように設計しましょう。
特に、仕組みや工程、数値の関係を説明するときは、文章をそのまま字幕にするより、図として整理する方が効果的です。インフォグラフィックスは、複雑な情報やデータを絵や図で整理し、ひと目で理解しやすくする表現手法です。
ただし、画面に文字を詰め込みすぎると、立ったまま見る来場者には読めません。一画面につき一つのメッセージを基本とし、重要な言葉だけを短く表示します。
- 見出しは短く、一読で意味が分かる言葉にする
- 文字と背景のコントラストを確保する
- 細かな数値はグラフやアイコンで整理する
- 製品の大きさや動作が分かる映像を入れる
- 一定時間ごとに要点を繰り返す
4.動画から会話・資料・デモへ誘導する
動画の役割を「製品を詳しく説明すること」だけに設定すると、来場者が画面を見て満足し、そのまま立ち去ることがあります。リード獲得を目的とするなら、動画を会話の入口として設計することが重要です。
例えば、動画内で次のような問いを提示します。
- 現在の工程で、同じ作業を繰り返していませんか
- 詳しい導入条件はブース内のデモで確認できます
- 自社環境に適用できるか、担当者が診断します
- 事例資料はQRコードから取得できます
画面に表示した問いと、説明員の声掛けをそろえておくと、自然な会話を始めやすくなります。「動画で紹介している工程について、現在どのような方法をお使いですか」と質問すれば、相手の課題を聞き出すきっかけになります。
また、動画だけでなく、パネル、製品デモ、パンフレット、Webページの内容を統一することも大切です。施工業C社のブランディング支援では、会社案内だけを個別に制作するのではなく、Webサイトやカタログなどの各種ツールを一体で制作しました。複数のツールを通じて一貫した企業イメージを構築した事例からも、接点ごとにメッセージを分断しない重要性が分かります。
動画で興味を引き、パネルで要点を確認し、デモで理解を深め、パンフレットやWebで持ち帰って検討してもらう。この流れを設計することで、動画がリード獲得につながる導線になります。
5.展示会終了後にも使える素材として設計する
展示会動画を会期中だけで使い終えるのは、制作コストの面でも機会損失です。企画段階から、営業活動やフォロー施策への展開を想定しましょう。
- お礼メールから誘導する製品紹介動画
- 商談後に送付する課題別の短尺動画
- 営業担当者が訪問時に使用する説明動画
- Webサイトやランディングページへの掲載
- SNSやメールマガジン向けの短縮版
- 社内営業研修用の説明素材
長い一本の動画だけを制作するのではなく、「課題提示」「製品概要」「導入手順」「事例」「よくある質問」といった単位で素材を分けて撮影・編集しておくと、用途に合わせて再構成しやすくなります。
展示会で名刺交換した相手全員に同じ動画を送るのではなく、関心を示したテーマや課題に合わせて送る動画を変えると、フォローの内容にも具体性が生まれます。
展示会動画の色とデザインで注意したいこと
展示会では目立つことが重要ですが、色数を増やしたり、すべての文字を強調したりすると、かえって情報の優先順位が分かりにくくなります。
色は、色相、明度、彩度の組み合わせによって印象が変化します。人目を引きたい場合には対照的な配色が有効ですが、画面全体を高彩度の色で埋めると、強調したい箇所が埋もれてしまいます。
色の性質と配色に関するコラムでは、配色を基調色、補助色、強調色の3種類で考える方法を紹介しています。展示会動画でも、ブランドカラーを基調にしながら、問い合わせやデモへの誘導部分だけに強調色を使うと、視線を集めやすくなります。
また、ブースの照明やモニターの明るさ、設置位置によって、制作時の画面とは見え方が変わります。可能であれば本番に近いモニターで再生し、離れた位置から文字の大きさや色の見え方を確認しておきましょう。
展示会動画で避けたい5つの失敗
| 失敗 | 起こりやすい問題 | 改善方法 |
|---|---|---|
| 会社紹介が長い | 来場者がメリットを理解する前に離脱する | 来場者の課題と解決策を先に示す |
| 情報を詰め込みすぎる | 一つひとつの内容が記憶に残らない | 一画面一メッセージを基本にする |
| 音声に依存している | 会場の騒音で内容が伝わらない | 字幕や図解だけでも理解できる構成にする |
| 動画と説明員の動きが連携していない | 視聴後の会話や商談につながらない | 声掛けのタイミングと質問内容を決めておく |
| 会期後の活用を考えていない | 一度きりの制作物になり費用対効果が下がる | Web、営業、メールで再利用できる構成にする |
展示会動画の成果は何で測るべきか
展示会動画の評価を再生回数だけで判断するのは適切ではありません。目的がリード獲得であれば、動画視聴後の行動まで確認する必要があります。
- 動画の前で足を止めた来場者数
- 説明員との会話に移行した割合
- 製品デモや商談へ進んだ件数
- QRコードの読み取り数
- 資料ダウンロード数
- 展示会後のメール開封率や動画視聴数
- 有効商談や案件化につながった件数
さらに、「どの場面で来場者が足を止めたか」「どの訴求から会話が始まったか」を説明員から回収すると、次回の改善に役立ちます。数値だけでなく、現場で得られた反応や質問も記録しましょう。
展示会動画はブース全体の導線から考える
展示会動画でリード獲得の成果を高めるには、映像の美しさや長さだけでなく、ターゲット、メッセージ、設置場所、説明員の動き、資料、Webへの誘導を一体で設計する必要があります。
重要なのは、動画だけで説明を完結させることではありません。来場者に「自分に関係がある」と気づいてもらい、担当者との会話やデモ、資料請求といった次の行動を起こしてもらうことです。
展示会の企画、映像制作、グラフィックデザイン、印刷物、Webへの誘導を別々に発注すると、媒体ごとにメッセージや表現がずれることがあります。展示会で獲得したリードを商談につなげるためには、会期中だけでなく、事前告知から事後フォローまで見据えた設計が効果的です。
セザックスでは、展示会やイベントの企画・運営から、動画、ブース内のグラフィック、パンフレット、Webコンテンツまで、目的に合わせて一貫した制作を支援しています。展示会動画の活用方法や、ブース全体の情報設計にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
